ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『…すまなかったなキース。お前とマイケルの間にあんな過去があったなんて…知らなかったとは言え、お前に苦しい思いを…辛い思いをさせてしまったな』
小林誠吾はそっと、部屋の中にいるキースに語りかけていた。
しかしキースからは返事すらなかった。
『俺がお前たちに前座ライブやらさなかったら…こんな事になってなかったのにな…。なあ、キース。フレンズのみんなはお前の帰りを待ってるぞ…。マイケルに音楽をやる資格はないって言われたらしいが…音楽をやるのに資格なんていらない。音楽には資格よりももっと大切なモノがある…何かわかるか?』
小林誠吾はキースに尋ねたた。
しかし、キースからの返事はなかった。
『音楽に必要なモノは“ハート”だ。キース、お前は音楽が好きなんだろ?ドラム叩いてる時のお前は凄く良い笑顔をしてるもんな。…キース戻って来い…フレンズのみんなはお前を必要としている。お前が戻って来る事をいつも願っている。あいつらのその気持ちに答えてやってくれ…キース頼むから』
小林誠吾はドアの方を向いて頭を下げた。