ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜


『わかってくれたか…』


小林誠吾はホッとした。


『ああ、俺たちはアンタについて行く事を決めたよ』


シュンは小林誠吾の思いとは裏腹の思いを口にした。


『な、何を言ってるんだ!!』


小林誠吾は声を少しあらげた。


『私たちのプロデューサーはあなただけです。今まで通り歌えなくても良いです…私たちはあなたについて行きます』


レイナはニコッっと笑った。


『小林さん。俺たちは頑固だから一度決めた事はもう変えないぜ』


シュンは笑って言った。


『…ふっ。分かったよ。せっかく俺が弟に…石川誠也に頭を下げたのに、無駄にしやがってよ。…お前たちこき使うから覚悟しておけよ』


小林誠吾はそう言って立ち去った。


『さてと…後はキースだけだな』


シュンはキースの部屋のドアを見た。


『おい、キース!!俺たちはお前の帰りを何日でも…何年でも…何十年でも待ってるからな』


シュンはそう言って立ち去った。


『シュン…』


レイナは呟いた。


『そうよキース。あたしたちはずっとあなたを待ってるわ』


里菜はもドアに向かって言った。


『さあ、レイナ。帰りましょうか』


里菜はニコッと微笑み、レイナの腕を引っ張って二人は立ち去った。


明けない夜がないように、フレンズたちにも陽はまた昇り始めたのだった。


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