ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『サキちゃんは何の病気なの?』
レイナは心配そうに尋ねた。
『よくわからない。みんな何の病気か言ってくれないし、ママはそのうち良くなるって言うけど…きっと嘘。自分の事は自分が1番わかるから…それに歩く事だって今はままならないし』
サキは元気なく言った。
『大丈夫だよ。お母さんが良くなるって言ってるんだから…信じようよ』
レイナはサキを励ました。
『…うん』
サキはうなづいた。
『ねぇ、サキちゃん。サキちゃんが描いた絵もっと見たいな』
レイナは笑顔で言った。
『良いよー。病室にあるから行こうよ』
サキは笑顔で言った。
そしてレイナはサキの車椅子を押して、サキの病室へと向かった。
『あれ?ママやパパは来てないの?』
病室につくなりレイナは言った。
『ママもパパも昼間は仕事だから。…ほら、これだよサキが描いた絵』
サキは棚に置かれていたスケッチブックをレイナに見せた。
『やっぱりサキちゃんは絵が上手だね』
レイナは絵を見ながら言った。
そして二人はしばらくの時間、色んな事を話した。
『あら?サキのお友達かしら?』
サキの母親が病室へと入って来た。
『そうだよ、ママ』
サキは笑顔で言った。