ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『えっ!?…うん、わかった話してあげるね』
レイナはケイゴとの事を話した。
『そうなんだ…。レイナさんって、ケイゴさんの話してる時凄く楽しそうだね』
サキはレイナを見つめて言った。
『えっ!?…そうかな?』
『そうだよ。あー良いなー…レイナさん凄く幸せそう』
サキは羨ましがった。
『サキちゃんは今幸せじゃないの?』
『う〜ん、病気だから幸せなんかじゃないよ』
サキは悲しげに言った。
『サキちゃん。でもね、お母さんとお父さんと一緒にいられるって事だけでも…十分幸せな事なんだよ』
幼い頃に両親をなくしたレイナは、両親と一緒にいられる事が何よりも幸せなんだと思っていた。
『そんなの幸せじゃないよ!!…レイナさんは病気じゃないからそんな事言えるんだよ』
サキは少し不機嫌そうに言った。
『サキちゃん…』
レイナは呟いた。
『どうせサキには幸せはやって来ないんだよ…サキはどうせ病気治らないんだよ!!どうせサキは死ぬんだ!!』
サキは布団を頭まで被り泣き出した。
『サキちゃん。死ぬなんて簡単に言ったらダメだよ。弱音を吐いたらダメだよ』
レイナは困り果てながら言った。
『レイナさんにはサキの気持ち何かわからないよ』
サキは泣きながら言った。
そこへサキの母親が病室へと入って来た。
『サキ?どうしたの?』
母親は泣いているサキを見て、心配して駆け寄った。
『…すみません。私が泣かしちゃったんです』
レイナは母親に頭を下げ部屋を飛び出した。