ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜


『でも…でもね私、小林誠吾に誰のために歌ってるんだ?って聞かれて…何も言えなかった。そんな今のままじゃ、きっとダメだよ…』


レイナは悔しそうに目に涙を浮かべた。


ケイゴはレイナのそんな様子を見てたまらなくなった。


そしてケイゴはポケットからハンカチを取り出し、レイナに渡した。


『レイナ、泣いちゃダメだよ。泣くのは全部が終わってからだよ。誰のために歌うか…それはレイナが決めること。今まで誰かのために歌ったことがなくても、今から…これから歌えば良い。もし…もし誰のために歌えば良いのかわからないなら、初めて出会ったあの時みたいに僕のために歌ってよ』


ケイゴは泣きそうなレイナに笑顔で告げた。



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