ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『あいつから…ケイゴから何の連絡もないのか?』
シュンは気になった事を尋ねた。
『…うん』
レイナは寂しそうにうなづいた。
『あいつ何やってんだよ!!せめて手紙くらい送って来いよなー』
『ケイゴはきっと忙しいんだよ。連絡がないって事はそれだけ一生懸命に頑張ってるって事だと思うから…』
『…そうだな、あいつの事だもんな。きっと頑張ってるよな』
シュンは笑顔で言った。
そしてシュンはベンチの上に仰向けに寝そべった。
『なあ、レイナ。一つ聞いて良いか?』
『シュンいきなり何?』
『レイナはさー、あいつの…ケイゴのどこが好きなんだ?』
『えっ?いきなりどうしたの?』
『いやー、ケイゴってさ…ぶっちゃけ、そんなにトークの面白い奴でもないし、ちょっと人見知りするし、何か見てても不器用だし、俺みたいに特別カッコイイ訳でもないしさ…だからちょっと気になったんだ』
シュンは自慢の黒いハットを顔の上まで下ろした。
『う〜ん…何だろ!?優しいってトコっていうか、ケイゴって基本的に自分より他人優先なんだよね。その何ていうか、見返りを求めない無償の優しさが自然に出来るとこに惹かれたのかな!?』
レイナは考え込みながら言った。