ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜


『では、次は最後の曲になります。今この中にも、きっと恋してる人がたくさんいると思います。そんな人たちに贈りたい一曲…聴いて下さい“星に願いを”』


レイナは客席で見ているイヴの方を向いて言った。


そして曲が流れ、レイナは歌い出した。


『 星に願いを 君に思いを 届かなくても 伝えようよ そこからまた新しい次が始まるから 溢れる思いが ラララ 星になるまで〜♪』


レイナは最後の力を振り絞って、熱唱しライブは終わった。


帰りの車内でレイナは、窓の外を見つめ黙り込んでいた。


『元気なさげだけど、どうしたのよレイナ?』


里菜は心配した。


『え!?あー、ちょっと疲れただけだから大丈夫』


レイナはそう言ってまた窓の外を見つめた。


『イヴちゃん…ちゃんと思いを伝えたのかな』


そう呟き、レイナはイヴの心配をしていた。


校舎の裏に一本だけ立つ楓の木の下で、夕日を背にイヴは一人たたずんでいた。


すると一人の男がイヴの元に走ってやって来た。


『…先生』


イヴは照れ臭そうに言った。


『イヴ…用って何だよ?』

ヒロは不思議そうに尋ねた。


< 183 / 232 >

この作品をシェア

pagetop