ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『では、次は最後の曲になります。今この中にも、きっと恋してる人がたくさんいると思います。そんな人たちに贈りたい一曲…聴いて下さい“星に願いを”』
レイナは客席で見ているイヴの方を向いて言った。
そして曲が流れ、レイナは歌い出した。
『 星に願いを 君に思いを 届かなくても 伝えようよ そこからまた新しい次が始まるから 溢れる思いが ラララ 星になるまで〜♪』
レイナは最後の力を振り絞って、熱唱しライブは終わった。
帰りの車内でレイナは、窓の外を見つめ黙り込んでいた。
『元気なさげだけど、どうしたのよレイナ?』
里菜は心配した。
『え!?あー、ちょっと疲れただけだから大丈夫』
レイナはそう言ってまた窓の外を見つめた。
『イヴちゃん…ちゃんと思いを伝えたのかな』
そう呟き、レイナはイヴの心配をしていた。
校舎の裏に一本だけ立つ楓の木の下で、夕日を背にイヴは一人たたずんでいた。
すると一人の男がイヴの元に走ってやって来た。
『…先生』
イヴは照れ臭そうに言った。
『イヴ…用って何だよ?』
ヒロは不思議そうに尋ねた。