ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『あたし…先生の事が好きです。イジメにあってる時も、ずっと先生はあたしを心配してくれてて…凄く嬉しかったです。先生の事が大好きです』
イヴは恥ずかしそうにヒロに思いを伝えた。
ヒロは急に真剣な顔をして、イヴの目を見つめた。
『ありがとう。こんな俺の事好きになってくれる子がいるなんて…正直凄く嬉しいよ。でもイヴの気持ちには答えられない…俺には大切な人がいるからさ』
ヒロは真剣な顔で言った。
『で…ですよね!?先生に好きな人がいる事くらいわかってました』
『イヴ…ごめんな』
ヒロは謝った。
『謝らないで下さい。よく考えて見ると、先生にはあたしは勿体ないですよね?とりあえず気持ち伝えてスッキリしました』
イヴは今にも溢れ出しそうな涙をこらえ、笑顔でそう言ってヒロの前から走り去った。
『…はあー。…若い子が好きで、女たらしだった俺はどこに行ったんだろうな。ケイゴ…俺、変わったな』
ヒロはそう言って楓の木にもたれ楓の葉を見上げた。
秋風になびく楓が、一つの儚い恋の終わりをそっと見届けたのだった。