ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜


『うん。で、でもね…正直な…僕の気持ちは複雑なんだ。だって…おじちゃんがパパだったら良かったなって…思うから…』


リョータはしんどい中笑顔で言った。


『リョータ…お前…』


シュンはリョータのその言葉に胸が締め付けられ、苦しくなった。


そしてシュンはリョータの目を見れずに、うつむいた。


『お、おじちゃん…どう…したの?』


リョータはうつむくシュンを心配した。


『な、何でもないさ…。リョータ、お前の大好きなママが選んだ相手だ…だからきっと、俺何かよりもずっとスゲー良い人に違いないし、ママとリョータの二人を絶対幸せにしてくれるハズだ。だから、新しいパパを笑顔で受け入れてやれ』


シュンは笑顔で言った。


『おじちゃん…』


リョータはシュンを見て呟いた。


『さてと、俺はライブがあるからもう行くよ』


シュンはそう言って椅子から立ち上がった。


『おじちゃん!!ま…また…会えるよね?』


リョータは病室を出ようとしたシュンに尋ねたた。


シュンはドアノブを握ったまま黙り込んだ。


『…おじちゃん?』


『ああ、会えるさ…きっと会えるから…だからリョータはさっさと病気を治せ。もうママを心配さすんじゃないぞ…早く元気になれよ、リョータ』


シュンはリョータに背を向けたままそう言って、病室を出て行った。


< 199 / 232 >

この作品をシェア

pagetop