ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
二人は部屋に帰り、服を乾かした。
そして、少し落ち着いたレイナはクッションを抱え、前に座るケイゴに状況を説明した。
『そっか。手術か…声が変わるかも知れないんだね』
ケイゴは状況を把握した。
『もし声が変わったらって思ったら…すごく不安で…』
レイナは不安げに言った。
『確かにレイナの歌声は素敵だと思うよ。でもね、声が変わってもレイナには歌を歌ってて欲しい。歌はレイナにとって1番大切なモノだからさ、絶対に失って欲しくないんだ』
ケイゴは笑顔で言った。
『…ケイゴ』
レイナは呟いた。
『レイナ、手術受けようよ』
ケイゴはレイナの隣に移動し、レイナの手を握りしめた。
『…うん。でも凄く恐くて…』
『恐い!?…恐いもんか。僕がずっと傍にいてレイナを恐怖から守って見せるからさ』
ケイゴはニコッと笑った。
『…わかった。ケイゴが傍にいてくれるなら…私、頑張るね』
レイナは目に涙を浮かべ笑顔で言った。
そして、しばらく時間が過ぎると二人はベランダへと出た。
雨はすっかり上がって、空では星が瞬いていた。
『ねぇ、ケイゴ…どうして帰って来たの?』
レイナは星を見ながら言った。