ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
2002年〜冬〜
あの歌声をもう一度…♪
12月8日
季節が移り変わり、また白い季節が訪れた。
寒さに凍える花たちは、春を夢見て必死に生きようとしていた。
レイナも無事に退院し…もう一度ステージに立つことを夢見て、この日都内にあるレコーディングスタジオへと、新曲のレコーディングにやって来た。
『レイナ。喉の調子はどうだ?』
小林誠吾は少し心配そうに言った。
『いよいよだな。いよいよレイナがまた歌い始めるんだな』
シュンは何故か緊張していた。
『頑張って歌って見ます』
レイナは不安げに言った。
『レイナ。じゃあ、歌って見ろ』
小林誠吾はそう言うなり、フレンズの新曲のカラオケをスタジオ内に流した。
フレンズのメンバーは、レイナの歌声が変わっていないか不安だった。
レイナもちゃんと歌えるか不安で一杯だったが、イントロが流れ終わると同時に、探りを入れながら歌い出した。
『ストップだ!!』
小林誠吾は、曲がサビに入る前に一旦止めた。
『レイナ!!どうした?もう喉は大丈夫なはずだ…前みたいにおもいっきり歌って見ろ』
小林誠吾はためらいながら歌うレイナに言った。
『はいっ』
レイナはそう言ってまた歌い出したが、それでもまだ少しどこか喉に気を使っていた。