ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
レイナは部屋出て、今日のライブの事を考えながら傘をさし歩いていた。
『約1ヶ月ぶりに観客の前で歌うから…今から緊張するなー』
レイナはそう言って大通りに出てみると、雨の日もあって人はまばらだった。
『ちょうど16年前のこの日も雨が降ってたんだな…』
信号に捕まったレイナは、軽く空を見上げた。
そしてレイナが信号待ちで交差点に立っていると、犬の散歩をしていた一人の小さい子供が、犬に引っ張られて道路の真ん中に飛び出してきた。
そしてその子供に向かって、雨のために視界が悪く猛スピードで走る一台のトラックが少年に気付かずに突っ込んで来た。
『あ、危ない!!』
それに気付いたレイナは、無我夢中で子供をかばおうと道路に飛び出した。
トラックの運転手はレイナの姿に気付き、慌ててブレーキを踏んだが間に合わなかった。
トラックが二人にぶつかる瞬間、レイナは誰かに背中を押され子供と一緒に道路の脇へと転がった。