ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
そして、控え室へと戻るなりレイナの携帯が待っていたかのように鳴った。
『あっ、ヒロ君。今ライブ終わったんだ。え!?ケイゴ?ケイゴならさっきライブ見に来…て…』
レイナはそう言いかけたが、ヒロの一言を聞いた途端にレイナは携帯電話を落とした。
携帯電話を突然落としたレイナをメンバーは見た。
『…レイナ?』
シュンはレイナの様子が変な事に気付いた。
『う…うそ…ケ、ケイゴが…』
レイナは突然崩れ落ち、泣きじゃくった。
突然泣き出したレイナをメンバーは心配し、駆け寄った。
『レイナ!!どうしたの?しっかりして!!』
里菜は泣きじゃくるレイナの体を揺すって言った。
『ケイゴが…』
レイナは泣き崩れたままだった。
シュンはレイナが落とした携帯電話を拾い、ヒロに話かけた。
『ヒロか?一体何があったんだ?』
シュンはヒロに尋ねた。
『え!?そ、そんな…』
シュンは携帯電話を持つ腕を降ろした。
『シュンどうしたんだ?』
キースは心配そうに尋ねたた。
『ケ、ケイゴが…さっき死んだって…』
シュンは信じられない様子で言った。
それを聞いた里菜とキースも驚きを隠せなかった。
『ケ、ケイゴーー!!』
レイナは泣き叫んだ。
そんなレイナを見て、里菜も涙を流しながらレイナをぎゅっと抱きしめた。
12月22日―。
レイナはあたかも両親を亡くした同じ日に、最愛の人を亡くした。
そして二人が初めて出会ったこの日が、二人にとって永遠となる別れの日となったのだった。
ライブに来ていたあのケイゴは…レイナのミサンガが見せた幻だったのかも知れない。