ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『ねぇ、ケイゴと初めて会ったあの日もあの場所に花を供えてて…そして戻って来たらケイゴがギターを触ろうとしてたんだよね』
レイナは笑顔で言った。
『そっかー、だからあの時ギターをここに置きっぱなしにしてたのか。じゃあ、いつもギターケースに付けてあるそのお守りって…もしかして…』
ケイゴはギターケースのお守りを指差した。
『そう…このお守りは両親が私にくれた最後のプレゼント。ボロボロだけど、これがあったからあたしは独りぼっちでも全然平気だった』
そう言ってレイナはお守りを握りしめた。
『レイナの宝物なんだね』
ケイゴはお守りを見つめた。
『あれー!?ケイゴじゃーん』
そう言いながら、突然ヒロが階段を駆け上がってきた。
『ケイゴ、こんなトコで何してるんだよ?』
ヒロはケイゴに近づき、隣にいるレイナの方をチラッと見た。
『レイナ、紹介するね。こいつはヒロ。僕の1番の親友なんだ』
ケイゴはヒロを紹介した。
『ヒロ。この子はレイナ』
ケイゴがそう紹介すると、ヒロはレイナに顔を近づけじっと見つめた。