ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『さあ、そろそろ時間だな、レイナ。緊張してる?』
ケイゴは時計を見ながら尋ねた。
『うん、正直言うとね。だって、あの小林誠吾が私の歌を聴いてくれるなんて…』
レイナは不安げに言った。
そんなレイナを見たケイゴは、レイナの頭をポンポンと軽く叩いた。
『大丈夫だって。今日は僕が見守ってるし、レイナの両親だってきっと…』
ケイゴはそう言って、事故現場を見た。
『…うん』
レイナは小さく頷いた。
『小林誠吾に聴いて貰おうと思うから、緊張するんだよきっと。僕に…レイナの両親に聴いて貰おうって、そう思えばいいんだよ』
『そうだよね…。私、頑張るね』
二人は小林誠吾を待ちながら、しゃがみ込んでそんな風に話していた。
そしてしばらくすると、小林誠吾がやって来た。
『悪い、少し待たせてしまったな。じゃあ、時間がないから、早速歌を聴かせて貰おう』
小林誠吾はしゃがみ込んだ。