ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
レイナは軽く深呼吸して、優しくギターを弾き始め歌い出した。
小林誠吾は静かに目を閉じ、レイナの歌声に耳を傾けた。
ケイゴはそんなレイナを見つめがら、レイナと目が会うたびに優しく微笑んだ。
優しい澄んだレイナの歌声が、空高く舞い上がり響き渡った。
レイナが歌い終わると、小林誠吾は静かに立ち上がった。
『なるほど…この前の君の歌からは何も感じられなかったが、今日の君の歌からは色々と感じるものがあったよ』
そう言うなり小林誠吾は、しばらく難しい顔をして考え込んだ。
『よし、決めた。今度俺が新しくプロデュースするバンドがあるんだが…そのバンドのヴォーカルとして君を抜擢したい。君はソロでやりたいかも知れないが、今はバンドとしてやってみないか?どうだろう?』
小林誠吾は真剣な眼差しでレイナに尋ねた。
レイナはしばらく考えこんたが、ケイゴが静かにうなづくのを見て決断した。
『よ、よろしくお願いします!!』
レイナは立ち上がり、小林誠吾に深々と頭を下げた。