ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『ちょっと、三人で盛り上がらないでくれる』
メンバーの一人らしき、セミロングの黒髪に赤色のメッシュを入れた女性が近づいて来た。
『へぇー、あなた可愛い顔してんじゃん。あたしはベースの里菜よ…よろしくねレイナ』
里菜はレイナの顔を覗きこみ、レイナの鼻を人差し指でチョイと触った。
『はい。よ、よろしくお願いします』
レイナは里菜に丁寧にお辞儀をした。
そしてレイナは、奥のほうで黙り込んでこっちを見ている、耳に数個のピアスをした金髪で坊主頭の青い目をした男に気付いた。
『彼はドラムのキースよ。キースはイギリス人なの』
里菜はレイナにキースを紹介した。
レイナは少し怖がりながら、キースの方に歩み寄った。
『は、初めましてキースさん。レイナです、よろしくお願いします』
レイナはお辞儀をした。
『…よろしく』
キースはレイナをじっと見つめ、少しぎこちない日本語で言った。
『よーし、じゃあメンバーの挨拶は終わりだ。今から3時間後にデビューライブだ。そこで早速一曲披露してもらう、良いな?』
小林誠吾はメンバーに向かって突然言い出した。
『え?3時間後って…まだ曲だってないのに?』
レイナは突然の事に戸惑った。
『いくら何でも無理よ』
里菜も突然の事に反論した。