ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
ケイゴは待たしてあるタクシーにヒロを乗せた。
『むにゃむにゃ、ペンギンには…負けないぞー』
ヒロは寝言を言った。
『…何の夢見てるんだろう』
ケイゴは笑った。
ユイもタクシーに乗り込んだ。
『じゃあ、ユイちゃん。ヒロの事頼んだね』
ケイゴはタクシーのドアを閉め、タクシーを見送った。
タクシーの車内で、ヒロはユイの肩にもたれてスヤスヤ眠っていた。
『むにゃむにゃ、ペンギン強いよ』
ヒロはまた寝言を言った。
『ホントに何の夢見てんだか…』
ユイは幸せそうに眠るヒロの寝顔を見た。
『はあー…。やっぱり私が世話を焼いてるんじゃなくて、ヒロが焼かしてんじゃんか』
ユイは少し怒り気味に言った。
『ユイ…いつもありがとうな…』
ヒロはボソッと呟いた。
その言葉を聞き、ハッとしてユイは眠っているヒロを見た。
『ヒロ…。どう致しまして』
ユイはニコッと笑った。
その頃ケイゴは歩いてマンションまで帰って来た。
すると自分の部屋の前に、ギターを背負ったレイナが待っていた。
『レイナ!!いつから待ってるの?』
ケイゴは駆け寄った。
『今来たトコだよ。ケイゴ、明日って…もう今日か。今日発売のミュージックブックって雑誌にね、フレンズのこの前のインストアライブの事が掲載されてるの。1番にケイゴにそれ伝えたくて…』
レイナは嬉しそうに言った。
『わざわざ言いに来てくれたんだ。レイナ良かったね』
ケイゴは笑顔で言った。
『うん。じゃあ、私帰るね。ケイゴおやすみ』
レイナは手を振り去って行った。