ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『夢』って言葉♪
12月25日。
街中に心を騒ぎ立てるクリスマスソングが流れ、恋人たちは手を繋ぎ寄り添い歩いている。
子供たちに忘れ去られた雪だるま…
さまよい歩く野良犬…
幸せと寂しさが交差しているそんな白い夜。
『あーあ、クリスマスまで仕事だなんてな。でも仕方ないか…』
スーツを身に纏うケイゴは、幸せムードで賑わう街を避け、遠回りをして帰路についた。
途中、公園の前にやってくると…公園の暗闇の中からふと聴き覚えのある歌声がケイゴの耳に飛び込んで来た。
ケイゴは声のする方へとそっと近づいてみた。
すると公園の噴水の石段に座り、楽しそうにギターを弾き語る女性がいた。
ギターを弾き語るその女性はレイナだった。
歌が終わると同時にケイゴが拍手を贈ると、レイナはケイゴの姿に気付いた。
『また会えたね。今日はここで歌っていたんだ』
ケイゴは笑顔でそう言いながら歩み寄った。
『えーっと…ケイゴさんでしたよね?』
レイナは恐る恐る尋ねた。