ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜


ケイゴはスタッフと話終えると、地面に寝っ転がって寝ているヒロを叩き起こした。


『ヒロ。新幹線が止まった影響で、東京からのスタッフが来れてなくて人が足りないんだって。だから僕とヒロはMCしてくれだってさ』


ケイゴはヒロにマイクを渡した。


『はあ!?MC何か俺に出来る訳ないだろ』


ヒロは声をあらげた。


『レイナのためだからさ』


ケイゴはヒロに頼んだ。


『はあー。わかったよ』


ヒロは溜め息をついて、仕方なく引き受けた。


『じゃあ、これが一応カンペだから…これ覚えてね』


ケイゴはヒロにカンペを渡し、レイナのトコへ行った。


『レイナ。そろそろ時間だよ。緊張してる?』


『うん…。ねぇ、ケイゴとヒロ君はMCするんだって!?そっちの方こそ大丈夫なの?』


レイナは二人を心配した。


『大丈夫。心配いらないよ。…あっ、そうだレイナ。まだデビューのお祝いしてなかったね。お祝いは何が良い?』


ケイゴのその言葉を聞き、レイナはしばらく考えた。


『デート…。ケイゴ、お祝いはデート一回が良いな』


レイナは照れ臭そうに言った。


『デート!?そんなんで良いの?…わかった、じゃあ楽しみにしててよ』


『ケイゴ、約束だよ』


レイナは小指を立て、ケイゴも小指を立て、二人は約束を交わした。


< 61 / 232 >

この作品をシェア

pagetop