ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『そうだよキースさん。盗作したという過去は変えられなくても、未来は変えられるから…きっと、もう一度やり直せるよ』
レイナもシュンと一緒に歩いて来た。
『キース。あなたがもしここでフレンズを抜けるなら、私たち3人もバンドを辞めてフレンズは解散になるわ。あなた以外にフレンズのドラマーはいないんだから…あなたがいなきゃバンドは出来ないわ』
里菜は優しく言った。
キースはうつむき、黙り込んでいた。
『キース。イギリスで失くしたあなたの居場所はここ…フレンズにあるんだから』
里菜はキースの背中をポンと叩いた。
『そうだぜキース。お前がドラム叩いてくれなきゃ、俺もギターを弾かないぞ』
シュンはもキースの背中を叩いた。
『私もキースさんがドラム叩いてくれなきゃ、歌わないからね』
レイナもキースの背中を叩いた。
『みんな…ありがとう』
キースはメンバーそれぞれの顔を見て、涙を零した。
それを見たメンバーはニコッと笑った。
『さーて、帰るかな。良い曲作らなきゃなんないし』
シュンは手を振り去って行った。
『私たちも曲作り頑張ろ』
里菜がそう言うと、残りのメンバーもそれぞれ帰って行った。
この日フレンズの絆は今まで以上に強くなったのだった。