ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜


『覚えていてくれたんだ。ありがとう。ケイゴさんじゃなくて、ケイゴでいいよ。レイナは歌がホントに大好きなんだね』


ケイゴはレイナの隣に腰をおろした。


『うん…歌が…歌が私を救ってくれたし、私には歌しかないから…』


レイナはそう言って、ふと元気なくうつむいた。


『どうしたの?』


ケイゴは元気なくうつむいたレイナを気にかけた。


レイナは黙り込んでしばらくうつむいていたが、ふと夜空を見上げて口を開いた。


『私ね、5才の時に事故で両親を亡くしたんだ。それ以来ずっと施設で育って…その時、私を悲しみや寂しさから救ってくれたのが歌だったんだ』


レイナはそう言って唇を噛んだ。


『レイナ…』


そんなレイナを見ながらケイゴは呟いた。


『ねぇ、ケイゴ。ケイゴには夢ってある?私はね、いつか大きなステージに立って、沢山の人に私の歌を聴いて貰って…それで、少しでも多くの人に勇気や希望を与えたいなて思ってるんだ。私と同じように辛い思いをしている人達の涙を、私の歌で笑顔に変えて、私の歌で心を救ってあげたいんだ。それが私の昔からの夢…』


レイナは誇らしげに自分の夢を語った。



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