ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
ケイゴはタクシーを止め、二人はタクシーに乗り込み海へと向かった。
『ケイゴ、ありがとう…私のわがままに付き合ってくれて』
レイナは申し訳なさそうに言った。
『構わないよ。でも…どうして海に?』
ケイゴは笑顔で尋ねた。
『今日ケイゴと遊園地に行ってから、ちっちゃい頃の事や両親の事思い出しちゃって…両親との1番の思い出があるのが海なの。だから、急に海に行きたくなっちゃったんだ』
『そっか、そんな理由があったんだ。運転手さん、海に急いで下さい』
ケイゴは笑顔で言った。
そして30分ほど走ると海に着いた。
二人はタクシーから降り、砂浜へと歩いて行った。
レイナは両親との思い出の詰まった海に来て、凄く喜んでハシャイでいた。
『レイナはこんな寒いのに元気一杯だな』
ケイゴは笑って見つめていた。
『そういや僕は海に来るの久しぶりだなー。前に来たのは…2年前か…』
ケイゴは冷たい自分の手に息を吹きかけ温めながら、2年前に亡くなった当時の彼女を思い出し、寂しそうな顔を見せた。
そんなケイゴの様子に気付いたレイナは、ケイゴの傍に駆け寄り、突然ケイゴの手をぎゅっと握った。
『レイナ!?』
ケイゴは驚きレイナの方を見た。
レイナはケイゴの手を握りしめながら、優しく笑いかけた。