ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
里菜は目を閉じ、二人が落ちそうになった瞬間、その里菜の手を誰かが掴んだ。
里菜は宙ぶらりんになり、恐る恐る目を開けた。
すると、キースが里菜の血だらけの手を掴んでいた。
『キ、キース!!』
里菜は驚いた。
『大丈夫か里菜?』
キースは里菜の手をぎゅっと握りしめていた。
里菜はもう片方の手で掴んでいるリカを見たが、リカは気絶していた。
すると、ビルの下でこの危険な様子に気付いた通行人が警察に通報し、駆けつけて来た警官数名が里菜とリカを引き上げ、助けた。
意識を取り戻したリカは手錠をかけられ、廃ビルの下に駐車されていたパトカーへと連れて行かれた。
『リカ!!あたしはずっとリカの帰りを待ってるから』
里菜はパトカーに乗り込もうとしたリカに大声で言った。
『里菜だけはあたしを見放さなかったね…凄く嬉しかったよ、ありがとう。いつか必ずライブ見に行くね』
リカはニコッと微笑みパトカーに乗り込んだ。