ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
しかし、小さい男の子は泣き止まずにいた。
シュンは子供を泣き止ますために、変な顔をして男の子を笑かそうとした。
すると、変な顔を見た男の子は泣き止み笑い出した。
『よしよし、やっと泣き止んだか。お前の名前は?いくつだ?』
シュンは男の子と目線を合わせて言った。
『リョータ。3才』
男の子は笑顔で言った。
『リョータか…良い名前だな。今日は誰と来たんだ?パパか?ママか?』
『ママと来たの。パパは僕が生まれてすぐに死んだんだって…。おじちゃんは子供いるの?』
『おいおい。おじちゃんって…俺はまだ26才なんだけどな…まあ、いいっか。おじちゃんもリョータと同じ歳位の子がいるよ』
シュンはリョータの頭を撫でた。
『男の子?女の子?』
リョータは尋ねた。
『…さあな、一度も会った事ないからなー』
『どうして会わないの?』
『う〜ん、…俺には会う資格がないって事だな』
シュンは笑って言った。
『何だかよく分からないや』
リョータも笑って言った。
『それよりリョータ。お前どこでママとはぐれたんだ?』
『ここらへんだよ』
リョータは周りを見回した。
『そっか、ならここらへんで待ってたら…捜しに来るだろ。リョータ、ここに座って待ってようで』
シュンとリョータの二人はベンチに座った。