ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『ねぇ、おじちゃんは何してる人なの?』
リョータは尋ねた。
『俺か?俺はな、音楽やってるんだ。フレンズってバンド知らないか?』
『ううん、全然知らない』
リョータはあっさり言った。
『そっか、知らないか…。まだまだだな俺たちも…。あっ、そうだリョータにこれやるよ』
シュンはズボンのポケットから、自分のサインの入ったピックを出し、リョータに渡した。
『…何コレ!?』
リョータは不思議そうに尋ねた。
『それはピックって言って、それでギターを弾くんだ。俺のサイン入りだから、フレンズが有名になれば友達に自慢できるぞ』
シュンは自慢げに言った。
『へぇー、そんなすごい物なんだコレ』
リョータはピックを喜んで受け取った。
『ああ、すごい物にになるように頑張るよ』
シュンは笑った。
二人が話していると、突然リョータの名前を呼ぶ声が聞こえた。
『あっ、ママだ。ママが僕を捜してる。おじちゃん、僕行くね』
リョータはベンチから立ち上がり母親の所へ行こうとした。