狂愛~狂うほどに君を~
『ゆずを、愛している。守りたいと思うのは当然のことだ。この先一生、ゆずと一緒にいる覚悟は出来ている』
千の真摯な言葉にリアムも言葉を落としはじめる。
『ゆずの、本当の名前はリリィなんだ』
リリィはセラフィムである父と母の元へと生まれた。
父ディランと、母オリヴィアはセラフィムの中でも人望が厚く天界のものはディランとオリヴィアを何かと頼りにしていた。
そのため、リリィが生まれてからもリリィは天界のモノたちに可愛がられ愛でられる。
歳を重ねるにつれリリィは美しく心優しい女性へと育ち、多くの異性から熱の籠った視線を贈られるようになる。
しかし、そんな状況を良く思わないものがいたのだ。
それはセラフィムの中でもリーダー格とされている男、実質天界を動かしていたもの。
名をルーカスという。
ルーカスはセラフィムの中では断トツに若く、顔も整っていることで若い女からは特に人気がある。
そんなルーカスは自分を好くものには目もくれずリリィへと恋焦がれ、リリィを我妻にと望んだ。
しかしリリィがルーカスと恋に落ちることはなかった。
あの手この手をつくし、なんとかリリィの気を引こうとしたルーカスだったがいつまでもリリィを我が物にすることは出来なかった。
そこでルーカスは強引な手段をとることにしたのだ。
ここから、リリィの生活は一変していく。