狂愛~狂うほどに君を~
後日。
千、ゆず、泉、マクベス、リアム、イアンの6人はお揃いの黒のマントを羽織ってリビングへと集合していた。
『いいか。今からゆずの記憶の欠片を集めるためにリアムとイアンが覚えているゆずとの思い出の場所へと出向く』
『みなさんに羽織っていただいてるマントは隠れ身マントと言って魔力を隠してくれます。魔力を他に悟られてしまってはゆずちゃんに危険が及んでしまうので、出来るだけ魔力は自分でもコントロールして隠してくださいね』
さらに泉はみんなへとお揃いの金で出来た腕輪を差し出す。
『一人一つずつつけてください。これは通信に使います。中心部にシークレットストーンという石が埋め込まれているので、そこに軽くキスしてみてください』
配られた腕輪の中心部にはそれぞれの魔力が放つ色の石が埋め込まれていた。
千は紫、泉はグレー、リアムは水色、イアンは黄色。
そしてゆずは純白の石だ。
『すごい・・・』
その石にキスを落とせばポゥッっと光が現れ、その光を通してお互いを映し出していた。
つまりビデオカメラのような役割を果たしているのである。
『万が一はぐれてしまったり、誰かに捕まってしまったときはシークレットストーンを使ってください。これをみることが出来るのはのシークレットストーンのついた腕輪をしているモノのみですから、危険なときはすぐにこれでお互いを呼び合います』
隠れ身マントとシークレットストーンの腕輪。
旅に出るために最低限の準備をと千と泉で創りだしたものだ。
『ゆず、お前はこれもつけていろ』
千がゆずの左手の小指に小さな輪っかを通した。
『ピンキーリング・・・?』
千がゆずに渡したのは金で作られた指輪に紫色の小さな石がちりばめられているピンキーリングだった。
『俺の魔力を封じ込めてある。肌身離さずにもっていろ、きっと役に立つ』