狂愛~狂うほどに君を~


『食べろ。』


千はスープを手に戻ってきた。

ゆずのやつれ方で数日は食べていないのだとわかった。


『ありがとうございます…。』


あたたかそうなスープを見てゆずは思わず手を伸ばした。


『おいしい…。』


一口食べるととびきりの笑顔をみせた。

千はその笑顔に胸の中の何かが動いたのがわかった。

だが、さりげなく胸を握りしめても何が動いたのかわからなかった。
< 21 / 181 >

この作品をシェア

pagetop