狂愛~狂うほどに君を~
―一ヶ月後―
『ゆずちゃん、たまには外に食べに行きましょうか。』
『はい・・。準備してきますね。』
まだ・・・ダメなんでしょうか。
泉はゆずの作り笑いに心を痛める。
一ヶ月も千は目の前に現れない。
生きているのかすらも分からない。
けれど、生きていたとして・・
まともな生活を送れているのだろうか。
荒れているのではないだろうか。
泉の頭の中は千の心配でたくさんだ。
それと同時にゆずのことも心配である。
千が姿を消してから暫く、ゆずは空元気で気を保っていた。
それは現在もかわらないけれど。
でも確かに何かが変化していた。
空元気の奥のゆずはどんどん元気を失っていく。
ゆずの空元気をみればみるほど泉も痛々しい気持ちになる。