狂愛~狂うほどに君を~
『・・・覚悟?』
千は一言そういって鼻で笑った。
『ぶっ壊すだけだ。』
泉の眉間に皺がよる。
ぶっ壊す?
千から感じる力。
帰ってきたときには感じなかったモノだ。
久しぶりにそういった行為をしたんだとすぐに分かる。
泉はハッとして
『まさかっ?!』
ゆずのいるであろう部屋へと駆けていく。
いつもは割と冷静な泉。
それが今はゆずの元へと真っ直ぐ駆けていく。
その姿を見た千の眉間にも皺がよっていたことを
泉は愚か本人さえも知らなかった。
何年も傍にいた泉のこの行動が一体何を示すかが分からないほど
千は無頓着ではなかった。
だからこそ
泉のこの行動が気に入らない。