狂愛~狂うほどに君を~
限界。

泉の放ったその言葉に千は眉をひそめる。

千は身も心も渇ききっていた。

フラッと立ち上がる。


『いつもの部屋に用意してありますから。』


泉の言葉を聞き鋭い目つきで足を動かす。

“いつもの部屋”に向かっているのだ。

いつもの部屋につくと艶やかな女が待っていた。

ただ、千の認識としては欲求をぶつけるためだけの存在。

千や泉は【悪魔】。

今現在、悪魔という存在は信じられていない。

しかし悪魔は数多く存在しているのだ。

そして悪魔はある年齢を過ぎると定期的に体の関係を持たなければならなくなる。

限界まで我慢すれば激しい苦痛が襲う。

普通の悪魔では耐えられない程の苦痛が。
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