愛しのご主人様



『お前、欲しいかも』


ってどういうことなんだろう?


あたしが?

あたしを?

欲しいってことなの?


「…!……乃!」

――…それとも…。


「雪乃おおおおおお!!」


「ひえっ」


耳元で聞こえた衣美ちゃんの怒った声。


それに驚いて思わず座ってた椅子から転げ落ちてしまった。


「もう何やってんの~…」

衣美ちゃんは、呆れた顔をしながらもあたしの腕を掴んで立ち上がらせてくれた。


「ありがと…」


「まったく天然ドジちゃんなんだからっ」


「…よく言われます…」



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