愛しのご主人様



「それより雪乃、もうイケメングランプリ始まるよ?」


「えっもう!?」


慌てて立ち上がろうとすると、衣美ちゃんが首を横に振ってあたしを止めた。


「雪乃はここで見てて。
そんな足じゃ立ってられないでしょ?」


「え…でも…」

「原田さんもいいって言ってるし…。
今は大人しくしてなよ?」


なんだか悪いなあ…。

でもこんな足で仕事してても足手まといか。


「じゃ…大人しくさせてもらいます」


「それでよし!
じゃあ、あたし行ってくるね!!」


「うん!頑張ってね、衣美ちゃん」

衣美ちゃんが出てった後、周りのスタッフもバタバタと急がしそうに出て行った。


ポツン。


あ、あたし独りぼっち…?


< 34 / 94 >

この作品をシェア

pagetop