愛しのご主人様
「それより雪乃、もうイケメングランプリ始まるよ?」
「えっもう!?」
慌てて立ち上がろうとすると、衣美ちゃんが首を横に振ってあたしを止めた。
「雪乃はここで見てて。
そんな足じゃ立ってられないでしょ?」
「え…でも…」
「原田さんもいいって言ってるし…。
今は大人しくしてなよ?」
なんだか悪いなあ…。
でもこんな足で仕事してても足手まといか。
「じゃ…大人しくさせてもらいます」
「それでよし!
じゃあ、あたし行ってくるね!!」
「うん!頑張ってね、衣美ちゃん」
衣美ちゃんが出てった後、周りのスタッフもバタバタと急がしそうに出て行った。
ポツン。
あ、あたし独りぼっち…?