愛しのご主人様
「さあ、陽岡君!
この自由券をどう使いますか!?」
マイクに迫られ、「えっと」なんて陽岡さんは苦笑い。
「あ」
何か思いついたような顔をして陽岡さんは、あたしの方を見た。
「え…?」
あたし?
それとも衣美ちゃん?
「あいつ、俺のもんにしていいですか?」
そう言って陽岡さんが指差したのは…、
あ、あ、あ、あたし~~~!?
「……」
陽岡さんの大胆発言に静まり返る会場。
そんな中、司会者が気まずそうに陽岡さんにマイクを向ける。
「えっと…陽岡君…。
それってどういう意味なのかな?」
「そのままの意味ですよ?」
ニコッと笑うって言うよりニヤッと笑う陽岡さん。
「俺のもんって…つまり彼女ってことかな?」
「彼女とは…ちょっと違うかな」