愛しのご主人様
「陽、陽岡さ…」
いたたまれず、陽岡さんの服の裾を掴んだ。
「ん?」
……あーうー…。
「何でそういう顔するんですか…」
振り向いた瞬間の陽岡さんが、
あまりにもかっこよくて、
言いたいこととは全く違うことを言ってしまった。
「え?」
陽岡さんはあたしのわけわかんない言葉に首を傾げる。
「あ、えーと…。
なっ何でもないですっ」
慌て首を横に振り、笑ってみせた。
そしたら陽岡さんはボソッと…、
「やっぱお前猫みたい」
って笑った。
「あ、あの…お取り込み中悪いんですが…」
司会者が気まずそうにあたし達を伺う。
お、お取り込み中なんかじゃないよ!!