愛しのご主人様
つまり…あたしは!?
「ひひひひひひ陽岡さあああんっ!」
「んー?」
「ちょっと止まってもらえ…ませんかっ!!」
―――…未だに走行中のあたし達。
家からイベント会場まで歩いて40分。
走ってでも30分。
なのに15分ちょっとで、あたし達は学校の前にいた。
陽岡さん…足はやいっす…。
「ほら、止まったぞ?」
学校の校門の前で陽岡さんは、あたしを降ろした。
か、軽く酔った…。
そんなあたしは、コンクリートにへたり込む。
「顔色悪いけど…もしかして酔った?」
はは、と呑気に笑いながら陽岡さんはしゃがみこんだ。
「陽…陽岡さんが飛ばすからっ」
じろりと睨んでみても、陽岡さんは笑ったまま。