愛しのご主人様



「きゃっ」


手を握った瞬間、陽岡さんに引っ張られあたしは…――。


ちゅっ


…そんな音を立て、鼻にキスされた。



「……へ」


まあいきなりそんなことされれば驚くわけで。


でもそんなあたしの反応を見て、陽岡さんはご満悦な笑なわけで。



「え――と…
あのあたしって…?」


「俺のペット」


「じゃあ何でキス…っ!?」


真っ赤な顔で陽岡さんをにらみつけた。


「いけなかった?」

ふふんと笑う陽岡さん。


「そーいうのは彼女とっ!」

なんてムキになるあたし。



陽岡さんは、耳元で…


「雪乃、これ愛情表現、だよ?」




そう言ってまた、鼻にキスを落とす…――。





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