愛しのご主人様



「てかお前んち何人家族?」


「へ?…あっ、えっと…お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、弟、あたしの6人家族です…けど?」


「賑やかだな。
外まで声聞こえてきたぞ」


「ほ、ほんとですか!?」

やばい~近所迷惑だよー(恥)


「いいじゃん?賑やかで」


「そうですか?」


陽岡さんはちょっと寂しげに笑い、「羨ましいよ」と呟いた。


陽岡さん…?


あきらかにいつもの笑みじゃない陽岡さんを見て、なんだか胸が締め付けられるようだった。



「雪乃、キスして?」


「は……はぃぃぃぃぃぃ!?」

ビックリして思わず素っ頓狂なあたしの叫び声。


だっていきなりそんなこと言われれば…ねえ!?



「ほら、ご主人様の言うこと聞かなきゃね…?」


なんて耳元で囁かれて、あたしの心臓はバクバク。


「でも陽岡さ…」


逃げようとするあたしの腕を力強くつかんだ陽岡さんは…


「しつけが大変そうだな…この猫は」


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