愛しのご主人様



「雪乃ー」


「ぎゃっ!!」


背後から急に呼ばれ、ビクンと跳ね上がる身体。


「…『ぎゃっ!!』って…
俺、化け物かよ」


陽岡先輩はコツンとあたしの頭を叩いた。


「陽岡先輩…脅かさないでください」


キッと陽岡先輩を睨むと、今度はデコピン。


「俺のせいにすんな」

陽岡先輩はべっと舌を出した。



「~~…っ」


何にも言えずに黙って陽岡先輩を見上げてると、


「それより行くぞ」


なんていつの間にか引きずられて、学校を出たあたし…。



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