愛しのご主人様



「──…あの〜陽岡先輩」

「んー?」


i-podで音楽を聴いてる陽岡先輩の隣をあたしはひょこひょこ歩く。


そう、只今陽岡宅に向かっているんです。


「あのですね…」

唇を尖らせて、指遊びをしながら呟くあたしに、


「なーんだよ、猫ちゃん」

陽岡先輩はそう言って、笑った。


「言いづらいんですけど…」

「ん?」


「…お腹すきました」


「…はあ?」


あたしの腹ペコ発言に、陽岡先輩は顔をしかめる。


そーゆう顔になるのはわかるんですけど…


事実なんです(泣)


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