愛しのご主人様



「…陽岡先輩のうち…?」

目の前のマンションをぼうっと眺めるあたし。


「ここのマンションの7階に俺の部屋あんの」


「俺の部屋あ…?」


「そ。俺、独り暮らしだから」


ひ。

独り暮らし〜〜!?


「独り暮らしだったんですか!!」


口をパクパクさせ、驚くあたしに…、


「俺言わなかった?」

なんて陽岡先輩は呑気に答える。


「その歳で独り暮らし、なんだか尊敬します…」


あたしには独り暮らしは絶対無理。


家族にも無理って言われた。


一人で起きられないし、


料理しようとすれば5分置きに怪我するし、


唯一家事で出来るのは…

洗濯と掃除…。


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