愛しのご主人様
「そりゃそうだろ。
俺、カレー超得意だもん」
ニカッと陽岡先輩は嬉しそうに笑った。
「すごすぎます~!
あたし甘辛のカレー大好きなんです!!」
なのにうちのお母さんときたら…、
『カレーは辛いからカレーって言うんでしょ』
なんてわけのわからないこと言って辛くするし…。
「雪乃、ちょっと左手貸して」
陽岡先輩の言ったことに?マークを浮かべてたら、「貸せって言ったら貸せ!」とあたしの手を引っ張った。
「あーあ…ここ、相当傷深かったんだな。
もう絆創膏から血滲んできてる」
「あ、だっ大丈夫ですよ!痛くないし…」
「いいから」
陽岡先輩は、スッと絆創膏を剥いだ。