愛しのご主人様



「そりゃそうだろ。
俺、カレー超得意だもん」

ニカッと陽岡先輩は嬉しそうに笑った。


「すごすぎます~!
あたし甘辛のカレー大好きなんです!!」



なのにうちのお母さんときたら…、


『カレーは辛いからカレーって言うんでしょ』


なんてわけのわからないこと言って辛くするし…。



「雪乃、ちょっと左手貸して」


陽岡先輩の言ったことに?マークを浮かべてたら、「貸せって言ったら貸せ!」とあたしの手を引っ張った。


「あーあ…ここ、相当傷深かったんだな。
もう絆創膏から血滲んできてる」


「あ、だっ大丈夫ですよ!痛くないし…」


「いいから」


陽岡先輩は、スッと絆創膏を剥いだ。


< 71 / 94 >

この作品をシェア

pagetop