愛しのご主人様
え?そのあとどうなったかって?
ざっと説明しましょう。
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『…ひ、陽岡先輩…』
『ん?』
『あたし…帰ります…』
いきなりのキスで気が動転してたのか。
自分でもわからないうちに、そんなことを口走っていた。
『おい、雪乃?』
陽岡先輩はあたしの異変に気付き、あたしの腕を掴んだ。
『何ですか…?』
真正面で向き合うのが、なんだか気まずくて、あたしは俯いた。
『いや…その、いきなり…悪かった』
『だ、大丈夫です…。
ちょっとびっくりしちゃっただけで』
大丈夫なんかじゃなかった。
ドキドキが止まんなくて、焦ってた。
なんでこんなドキドキしてるのか、
なんでこんな胸がキュッてなるのか…
わからなくて焦ってた。