愛しのご主人様



「健吾…正気?」


俺の真剣な眼差しに、ニッと笑う健吾。


「正気だろーが、何だろーが…、
陽岡の“彼女”じゃないでしょ?」


「…っ…」


なんだかちょっと悔しかった。



「俺のもの」だ、なんて…。


言えねえよ。


だって所詮、俺は…「ペット」っていう言葉で雪乃を縛り付けてるだけ。



雪乃は俺のものであり…


俺のものじゃないんだ。



「と、言うことで♪
雪乃ちゃん、紹介してよっ」


「…あぁ…いいよ…」


あーあ…、どうしちゃったの?俺。



< 80 / 94 >

この作品をシェア

pagetop