愛しのご主人様
*雪乃SIDE*
「雪乃ちゃんのこと、よく陽岡から聞いてるよ♪
可愛いよね、雪乃ちゃん!」
「は、はあ…どうも…」
―――…放課後を向かえ、陽岡先輩は一人の男の人を連れて教室へとやってきた。
そう、今あたしの目の前でニコニコしている、白鳥健吾先輩…。
いかにも軽そうな身なりに、あたしはちょっぴりオドオド。
…そんな反応に陽岡先輩はいつも笑って、
「ほんと猫だなーお前!」
なんてあたしの髪、くしゃくしゃにするのにな…。
今日はどうしてだろう。
陽岡先輩はさっきから、ずっとケータイをいじりながら黙っている。
しかもさっきから眉間に皺寄ってるし…。
今日はツイてなかったのかな?
「ねえねえ、雪乃ちゃん」