愛しのご主人様



「…なんだコレ」


気付けばケータイと財布を持ち、玄関で立ち尽くしてる俺。



「俺…どーしちゃったの、マジで」


くしゃっと髪をかきあげて、ため息をついてから部屋を出た。



―――――――――
――――――――
――――――…



自分が何で今、こんなに必死に走ってるのか。


そんなのわかんねえんだよ。


でも雪乃と健吾を2人きりにすんの…、


嫌で嫌でたまんねえんだよ。




部屋から出て10分後、行き着いた場所は健吾がよく行くゲームセンター。


でも健吾と雪乃は見当たらない。



「どこ行ったんだよ…っ」


むしゃくしゃして、風で乱れた髪をさらに乱した。




< 92 / 94 >

この作品をシェア

pagetop