‐Fear‐
白を基調とした統一感のある落ち着いた雰囲気の日比野のカウンセリングルーム。
椅子に座っている優太は下を向いている。
日比野がゆっくり話しだす。
「優太君…今日は君に伝えたい事がある。」
「…?」
「君の他に…君の中には違う人格がいる。」
「!?」
干潟と吉岡は待合室で待っている。もちろん聞こえてはいない。
日比野は考え抜いた結果、優太に多重人格の事を伝える事にした。
それは危険な賭けだったが、承知の上だ。
精神病院に移される前に自分の手で優太を何とかしたかった。焦りにも近い行動だった。
「何…ですか?それ?」
さすがの優太も動揺していた。
「優太君。私も感じていたが、お母さんも気付いていたみたいなんだ。どんな人格かはわからない。ただ、君の中に…。」
頭の中がぐるぐる廻る。
僕が…多重人格?なんだそれは?
そんなの現実にあるの!?僕が?そんなはずない…そんなはずはない…。
その時、あの凄惨な死体の映像が浮かんできて…
「うわぁぁぁっ!!」
バタン!!
優太は倒れてしまった。
「優太君!優太君っ!!」
薄れゆく意識の中で、日比野の声が段々と小さくなっていった…。
続
椅子に座っている優太は下を向いている。
日比野がゆっくり話しだす。
「優太君…今日は君に伝えたい事がある。」
「…?」
「君の他に…君の中には違う人格がいる。」
「!?」
干潟と吉岡は待合室で待っている。もちろん聞こえてはいない。
日比野は考え抜いた結果、優太に多重人格の事を伝える事にした。
それは危険な賭けだったが、承知の上だ。
精神病院に移される前に自分の手で優太を何とかしたかった。焦りにも近い行動だった。
「何…ですか?それ?」
さすがの優太も動揺していた。
「優太君。私も感じていたが、お母さんも気付いていたみたいなんだ。どんな人格かはわからない。ただ、君の中に…。」
頭の中がぐるぐる廻る。
僕が…多重人格?なんだそれは?
そんなの現実にあるの!?僕が?そんなはずない…そんなはずはない…。
その時、あの凄惨な死体の映像が浮かんできて…
「うわぁぁぁっ!!」
バタン!!
優太は倒れてしまった。
「優太君!優太君っ!!」
薄れゆく意識の中で、日比野の声が段々と小さくなっていった…。
続