‐Fear‐
 「こんな街から離れた所で…。入り口から遠いし。木とか切りなさいよ。」

 林の中を歩いている理恵菜。

「ここね。」

 橘(たちばな)診療研究所と書いてあるドアを開ける。

「すいませーん。」

 しばらくすると白衣姿の中年の男が現れた。

「あ、初めまして佐伯と申します。」

「…橘です。どうぞ。」

 理恵菜は奥に案内された。



 古ぼけた診察室。置かれている物も新しい物とは思えない。
ここは診察しているのだろうか?机の上のパソコンだけは使われている感じだ。
理恵菜は患者用のイスに座らされた。
< 24 / 60 >

この作品をシェア

pagetop