‐Fear‐
 病院。

 優太の病室にやって来た理恵菜。
笑顔で迎えた優太だったが、だんだん顔が青ざめていく。

「死んだ…?」

「自殺か殺されたのかまだわからないの。でもね、私は自殺じゃないような気が…。ごめんね、でも優太君には話さないと…と思って。」

「犯人が…いる?もしかしたらウチの親を殺した奴かも?」

「それは…わからないけど。」

 優太は少し考え込んで…そして口を開く。

「僕を連れていけない?…理恵菜さんと、事件捜査できないかな。」

「え!?それは…。私の独断では…。」

「ただ理恵菜さんについてくだけでいい。」

「…でも。」

「迷惑かな…やっぱり。でもじっとしていても辛い…。伯父さんの所…香澄の所に行っても気まずいだけだし。」

「…自分の手で何とかしたいのね?」

「はい。」

 しばらく考え込む理恵菜。

「わかったわ。初めて自分から意見を…勇気を出したあなたの気持ちを尊重したい。一緒に頑張りましょう。」

 ニコッと笑い理恵菜は優太の手を握った。
その手がとても暖かくて…優太は思わず涙を堪えた。





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